勝手に映画大賞2018 (1)ゴッドハンド藤村編
自宅のパソコンが壊れて、家で寝るまでの時間が余るようになった。それに沢山あった年度末の会議も終わってほっと一息ついた時期だったので、2週間ばかり本を読んだり映画を見たりしていた。
ただ、気づいたのは、本を読んだり音楽を聴くのは好きなんだけど、映画を見るのが超苦手だということだ。自宅だと映画に集中できない。というか視覚と聴覚を2時間持ってかれるのが苦痛なのだ。
しかし、最寄りの映画館は車で1時間かかるし、見る前に泥棒扱いされるし、さぁ泣けってところで一斉にすすり泣きの音が聞こえるのが嫌だし、見終わった後に映画館を出ると、昼→夜、夜→真夜中と街の様相がすっかり変わってるのが、人生の貴重な時間を無駄にした徒労感があって嫌なのだ。
映画を見てこなかった結果として「自分がどういう映画が好きなのか分からない」「映画の評価を計るリテラシーが自分の中にない」というのが自分的にコンプレックスである。
今までの人生で映画を愛したこともないし、映画に愛されたこともないのだ。
でも、映画を語るという行為自体は、好きなのだ。伊集院光がやってたラジオ番組で「週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!」という番組がとても好きで、ゲストのタレントさんが映画素人の伊集院光にお勧めの映画の見どころをプレゼンするのだけど、それがけっこう面白いのだ。特にみうらじゅんが「ラストラブ」を勧める回はめちゃめちゃ笑った。誰でも掘れば好きな映画ってあるんだな、そして映画の愛し方もひとそれぞれだな、と感心する。
自分にも掘り返して披露できるような自分だけの映画体験が欲しい、でも埋まってない。埋めた覚えがないからだ。だからゴッドハンド藤村信一のように、あとで取り出して見せるために、映画体験を埋めておきたい、という思いが湧いてきたのだ。
とりあえず、映画評論家の言うことは間違いないだろう、と考えて、「ぷらすと的2018年の今年のベスト映画」のアーカイブを全部見て、マイベスト候補を決めよう!と思ったのだった。(つづく)